売るまえに読む / 屋根が落ちた・倒れそうな家
屋根が落ちた家、倒れそうな家。
「解体しかない」と決める前に、骨組みで見る3つのこと
小屋組と通し柱が生きていれば、屋根が落ちても直せます。直せなくても今のままの状態で買い取れます。今週やることから答えます。
- 今週は、中に入らない・外から見る・片づける前に写真の3つ
- 下屋だけが落ちた家は母屋の骨組みが無傷のことが多い
- 崩れたまま売る道だけがお金を受け取る道。最短2週間
売るまえに読む / 屋根が落ちた・倒れそうな家
小屋組と通し柱が生きていれば、屋根が落ちても直せます。直せなくても今のままの状態で買い取れます。今週やることから答えます。

屋根が落ちた家で最初にすることは、片づけでも解体の見積でもありません。入らないこと、外から見ること、写真を残すこと。この3つです。
屋根の一部が落ちた家は、残った部分がどこで支えられているのか、外からは分かりません。梁が一本抜けただけで、隣の梁に倍の重さがかかっていることもあります。ご自身で中に入って荷物を出そうとするのが、いちばん避けていただきたいことです。
隣家の物置や車に瓦や雪が落ちた場合、持ち主としてどこまで責任を負うのかは、空き家が隣家に被害を与えたら誰の責任かに書きました。本ページでは、家そのものをどうするかに絞ります。
「屋根が落ちた」と一口に言っても、当社が現地で見てきた家は、おおむね3つのどれかです。どのパターンかで、直せるかどうかも、費用の桁も変わります。電話やLINEで最初に伺うのも、この見分けです。
パターン1と2の違いは、外から見た派手さでは分かりません。下屋がごっそり落ちて住めないように見える家でも、母屋の骨組みは無事なことがあります。逆に、瓦が少しずれて見えるだけの家で、小屋裏(屋根と天井のあいだの空間)の梁が折れていたこともあります。判断は落ちた部分の真下の梁と通し柱で決めます。傷みの段階と値の付き方は傷んだ家の「直せる・直せない」の見分け方に書きました。

県外から富山の空き家を管理する年間カレンダーに書いたとおり、春になって「水が噴いていた」「軒が落ちていた」というご連絡をいただきます。壊れるのは冬、気づくのは春です。なぜ空き家だけが壊れるのか。人が住んでいる家と、何が違うのか。理由は4つあります。
石川の家では、これに地震の傷みが重なります。2024年の地震で一部損壊のまま残る家は、ずれた瓦の隙間に雪解け水が入り、ひびの入った壁で屋根雪を受けます。石川県の買取に書いたとおり、当社は地震で傷んだ家も今のまま拝見し、直して残せるかを建設業者として決めています。
この壊れ方には、ひとつ救いがあります。雪は上から順に壊すということです。最初に下屋と軒先、次に小屋組、最後に柱。地震や水害と違って、土台と柱の根元は最後まで残ることが多い。だから屋根が落ちた家でも、骨組みで見れば直せる家が残ります。


当社が古民家を直した事例です。天井を抜くと、こういう梁が現れます。屋根が落ちた家で見るのは、この梁と柱が生きているかどうかです。工期4か月、建築工事費900万円。→ この事例を詳しく見る
直せるかどうかを決めるのは、落ちた屋根材の量ではありません。小屋組の主要材、通し柱と大黒柱、土台と礎石の3か所です。この3か所が生きていれば、屋根は載せ直せます。
写真で分かる範囲も、正直にお伝えします。屋根全体を四方から撮った写真と落ちた部分の真下を撮った写真の2枚があれば、パターン1か、2か、3かの見当はつきます。下屋だけが落ちているか、母屋の屋根の面が波打っているか、柱が傾いて見えるかは、写真で分かるからです。分からないのは、梁が腐っているか、床下が濡れているかです。ここは現地で叩き、のぞかないと決められません。写真の見当が、現地調査でどちらの方向にも変わることはあります。
雪で落ちた屋根は、雪が解けたあとの春の写真が役に立ちます。ただし春を待つ必要はありません。冬のうちに送っていただければ、雪の載り方から危ない場所の見当をつけて、応急処置が要るかどうかをお伝えします。

「直す」か「壊す」かの前に、もう一つ道があります。落ちた部分だけを外し、母屋を守るという中間の道です。パターン1の家で当社が最初に考えるのがこれで、建設業の許可(工事を請け負ってよいと県が認めたもの)を持つ当社が自社で工事します。
なぜ「外す」のか。潰れた下屋は、母屋の壁に寄りかかった状態です。そのまま次の冬を迎えると、下屋に載った雪の重さが母屋の壁と柱を横から押し、今度は母屋が傷みます。潰れた部分を取り除いて母屋の外壁を塞ぎ、雨水が回らないようにする。全部を直す工事ではなく、それ以上壊れないようにする工事です。
ここで、多くの方が最初に思いつくブルーシートについてお伝えしておきます。ブルーシートは雨には効きますが、雪には効きません。理由は三つあります。第一に、シートは重さを受け止められません。穴の上に張っても、雪が載ればシートごと穴の中に落ち込みます。第二に、シートの上で雪は滑りも融けもせず、張り付いたまま氷になって、かえって重くなります。第三に、風です。北陸の冬の風は、押さえの土のうごとシートをめくり、めくれたシートが電線や隣家にかかります。夏の雨漏りを止める応急処置としては有効ですが、冬を越すなら、落ちた部分を外すか、屋根の穴を板とルーフィングで塞ぐ工事が要ります。
当社が行う応急工事は、次のようなものです。落ちた下屋・軒先の撤去と、むき出しになった母屋の壁の養生(傷まないように覆って守ること)。小屋組で折れた材の仮受け(つっかえ)。屋根の穴の板張りと防水。道路や隣地にかかった屋根材と雪の撤去。屋根と雪のページに書いた、雪止めや落雪の向きを変える工事は、応急ではなく本工事のほうに入ります。
応急処置は、売るかどうかを決めていなくてもご依頼いただけます。ただし当社に売ると決めている場合は、応急処置も部分解体も先にしていただく必要はありません。今のまま買い取り、引き取ったあとの工事は当社が行います。先に応急処置にお金を払っても、その分を買取価格に足せるとは限りません。まず写真を送ってください。「売るなら応急処置は要らない」「持ち続けるなら必要」のどちらかを、当社から先にお伝えします。
屋根が落ちた家の出口は三つです。直して持つ、崩れたまま売る、壊して更地にする。この三つを同じ物差しで並べます。物差しは、出ていくお金、かかる時間、あとに残る責任の三つです。
直して住むなら道1。手放したいなら、壊す前に道2を確かめる。買取のページに書いたとおり、残すか壊すかを先に決める必要はありません。直せない家であれば、そう正直にお伝えし、解体業者の紹介までいたします。
屋根が落ちた家のご相談が多いのは、雪が解けた春と、次の冬が近づく秋です。春に気づき、夏に兄弟で相談し、秋に「このまま冬を越せるのか」と検索して、11月にご連絡をいただく。11月からで間に合うのか、当社の手順を日数で並べます。
つまり、11月の初めに写真を送っていただければ、間に合います。平野部に本格的な雪が来る前に、引渡しができます。引渡しのあとの雪は、当社の責任で対処します。12月に入ってからのご相談でも受け付けますが、引渡しが雪の中になるので、先に道路側と隣地側だけの応急処置を当社で行い、本格的な工事は春に、という順番になります。
この冬だけ持ちこたえたい方は、雪下ろしと雪庇落としの頼み先が要ります。町内会、シルバー人材センター、業者の頼み方と水抜きの手順は県外から富山の空き家を管理する年間カレンダーにまとめました。屋根の一部が落ちた家の雪下ろしは危険が大きく、引き受けてもらえないことがあります。その場合も当社にご相談ください。
屋根が落ちた家には、市町村から手紙が来ることがあります。空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづく助言・指導、それに続く勧告、さらに命令です。国土交通省は、特に危ない空き家(特定空家等)を決める目安を示しています。たとえば「建物が倒れるおそれがある」「屋根や外壁が落ちたり飛んだりするおそれがある」状態です(国土交通省 管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針)。屋根が落ちた家は、まさにこの状態です。
通知が来ても慌てる必要はありませんが、放置はできません。勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例(家が建っている土地の固定資産税を安くする仕組み)の対象から外れます。命令に従わなければ、市町村が代わりに解体することがあります(行政代執行)。その費用は、あとで持ち主に請求されます。この段階まで進むと、売却のご相談は難しくなります。
逆に言えば、助言・指導や勧告の段階なら、売ることができます。市町村からの指導などは、家の持ち主に向けて出されます。当社が家を買えば、持ち主は当社に変わります。そのあとの市町村とのやりとりは、当社が引き受けます。通知に対して先に修理や解体をしていただく必要もありません。通知が来た段階での市町村とのやり取りの進め方、通知の種類ごとに何が起きるかは、市役所から空き家の通知が届いたらに書きました。通知の手紙の写真を、家の写真と一緒に送っていただければ、段階に応じた進め方をお伝えします。
はい。解体の見積は延床面積(各階の床面積の合計)と構造(柱や梁など、家を支える部分)で決まり、骨組みが生きているかどうかは見ていません。当社は建設業者として、落ちた部分の真下の梁、通し柱と大黒柱、土台と礎石(柱の下に据えた石)の3か所を見て決めます。下屋だけが落ちた家や、小屋組の一部がたわんだだけの家は、直せることが多い家です。査定(いくらで買い取れるか値段を出すこと)と現地調査は無料です。
今のまま拝見して決めます。母屋の骨組みが壊れていて直せない家でも、土地としての値段から解体費を引いた形で買い取れる場合があります。売主に先に解体や応急処置をしていただく必要はなく、引き取ったあとの工事は当社が行います。
母屋と蔵は分けて見ます。蔵は壁が厚く、屋根さえ持てば残せることが多い建物です。母屋に寄りかかっている場合は、次の冬に母屋の壁を押すので、寄りかかった部分を外す応急工事を先に考えます。危険な納屋や車庫は当社が引き取ったあとに解体するので、売主に先に壊していただくことはありません。蔵の見分け方は崩れかけた蔵・納屋のページに書きました。
罹災証明書は市町村が発行するもので、内閣府の「災害に係る住家の被害認定」の基準にもとづいて被害の程度が判定されます。雪害も災害として扱われることがありますが、対象と手続きは市町村ごとに運用が異なるので、家がある市町村の窓口にお問い合わせください。申請には被害の写真が要るので、片づける前に撮っておいてください。
契約の内容によります。火災保険には雪や風による損害を補償する契約があり、空き家でも保険を続けていれば対象になることがあります。証券を確かめ、片づける前に保険会社に連絡してください。保険金のあるかないかにかかわらず、当社の査定と買取は進められます。
はい。落ちた下屋や軒先の撤去、母屋の壁の養生、折れた小屋組の仮受け、屋根の穴の板張りと防水は、当社が自社で工事します。ブルーシートは雪の重さを受け止められず、風でめくれるので、冬を越す手段にはなりません。写真を送っていただければ、応急処置の要否と範囲を先にお伝えします。
現地調査から最短2週間で引渡しなので、11月の初めに写真を送っていただければ、平野部に本格的な雪が来る前の引渡しは十分に可能です。県外の方は立ち会い不要で、契約書は郵送でやり取りできます。引渡し後の雪は当社の責任で対処します。12月以降は、道路側と隣地側の応急処置を先に行い、本格的な工事は春に、という順番になります。
本ページは一般的な考え方の解説です。直せるかどうかは母屋の骨組みの状態で変わり、最終的には現地で拝見して決めます。費用は当社の実例と目安で、家ごとに変わります。罹災証明書(家の被害の程度を市町村が証明する書類)や空家法(空き家への対策を決めた法律)の扱いは市町村ごとに運用が異なるので、お住まいの家がある市町村の窓口でお確かめください。
屋根全体と、落ちた部分の真下。その2枚で、直せる家かどうかの見当をお伝えします。応急処置も解体も、先にしていただく必要はありません。査定は無料で、断っても費用はかかりません。
傾き、屋根と雪、解体費、冬の管理。屋根が落ちた家のまわりにある話を、それぞれのページに分けて書いています。