空き家の管理 / 県外から富山の実家を守る
富山の空き家は、冬に壊れます。
県外から富山の実家を、年に1〜2回しか見に行けない。壊れるのは冬、気づくのは春です。1年のカレンダーと、誰に何を頼めばよいかをまとめました。
- 壊れるのは冬(屋根雪・凍結破裂)、気づくのは春。10〜11月の備えが効きます
- 止水栓を閉めるだけでは足りません。蛇口を開けて水を落とすまでが水抜きです
- 管理を続けると年15〜40万円。貸す・手放すの二つの出口も同じ窓口で
空き家の管理 / 県外から富山の実家を守る
県外から富山の実家を、年に1〜2回しか見に行けない。壊れるのは冬、気づくのは春です。1年のカレンダーと、誰に何を頼めばよいかをまとめました。

人が住んでいる家と空き家の違いは、壊れはじめに気づく人がいるかどうかです。
住んでいれば、蛇口から水が出ないことにその朝気づきます。屋根から雪が落ちる音も聞こえます。空き家では、それが誰にも届きません。富山の空き家に1年で起きることを、月の順に並べます。
当社が直しに入る空き家の傷みは、冬と春に集中しています。雨漏りより、凍結と雪。それが富山の空き家です。地域ごとの雪の量と道の事情は、立山町や南砺市など各市町村のページに「雪と道、土地の事情」としてまとめています。すでに屋根が落ちている・倒れそうな家の今週やることは屋根が落ちた・倒れそうな家はどうするに。

県外から頼める相手は、大きく三つあります。順に、近い人から遠い人へ並べます。
費用は、実家をどうするかのページに「雪下ろし(頼む場合・1回)」として載せています。年に何回必要かは、その年の雪と、家の立地で変わります。平野部で一度も下ろさずに済む年もあれば、山手で3回頼む年もあります。
なお、帰省してご自身で下ろす場合は、一人では屋根に上がらないでください。2人以上で、命綱を付けて。雪国では毎年、屋根からの転落事故が起きています。市の除雪の案内と注意事項は富山市 除排雪にまとまっています。
頼む回数を減らす方法もあります。瓦を軽い屋根材に葺き替え(屋根を全部新しくすること)ると、雪の重さに対する余裕が増え、同時に耐震(地震に強くすること)にも効きます。雪止めの配置を見直して落雪の方向を変える、融雪の設備を入れる、という選択肢もあります。詳しくは屋根と雪のページをご覧ください。
北陸の空き家は、「水抜き」が前提です。
富山県では、宅地の水道管が凍って壊れ、水漏れが相次いで大きな断水になった例があります。そこで県は、空き家で水道の栓を開けたままにしている場合は、定期的に壊れていないか確かめるよう案内しています。使っていない水道管は、水抜きをするようにとも案内しています(富山県 水道管の凍結による断水被害の防止について)。富山市の広報も同じ目的です(広報とやま 凍結による水道管の破裂や漏水を防止しましょう)。
止水栓を閉めるだけでは、足りません。管の中に残った水が凍って膨らみ、管や継手が割れます。当社が直してきた凍結破裂の家の多くは、「止水栓は閉めてあった」家です。水を止める、とは次の手順までを言います。
水を残す場合の注意。春や秋に人が使う予定があって、水を止めたくない家もあります。その場合は、日の当たらない場所やむき出しになった管と蛇口に保温材を巻き、冷え込みが予想される夜は蛇口から少し水を流しておく。これが富山県の案内する方法です。給湯器の凍結防止機能は通電が前提なので、水を残すなら電気も残します。そして、凍ってしまった管に熱湯をかけてはいけません。管が破裂します。タオルを巻いて、ぬるま湯をゆっくりかけてください。
電気を残す理由がもうひとつあります。換気扇を弱く回しておくと、閉め切った家の湿気とカビが減ります。基本料金がかかり続ける代わりに傷みを遅らせる。どちらを取るかは、次に人が使う見込みで決めてください。
管理のうち、半分は県外から片づきます。残り半分は、現地に誰かが行かないと終わりません。この区別をしておくと、帰省のたびに何をすればよいかが決まります。
県外からできること。郵便局に転居届を出して、実家宛ての郵便を自宅に転送する。固定資産税の納税通知と水道の検針票が届くようにしておくだけで、漏水の発覚が早くなります。火災保険は、契約者の名義と連絡先を今の住所に更新し、住んでいないことを保険会社に伝える。電気・水道・ガスの契約は電話とウェブで済みます。それから、隣近所と町内会長に、あなたの電話番号を渡しておくこと。何かあったときに連絡が来る先がなければ、行政からの通知で初めて知ることになります。
現地に人が要ること。雪下ろし、秋の水抜きと春の開栓、草刈りと庭木の剪定、雨樋の掃除、雪解け後の点検、そして窓を開けて風を通すこと。年に1〜2回の帰省で自分がやる部分と、シルバー人材センターや業者に頼む部分に分けます。頼む相手には鍵の預け先を決め、写真を送ってもらう約束をしておくと、行かなくても状態が分かります。
相続登記(亡くなった方から名義を移す手続き)がまだの家も同じです。管理の責任は、登記(土地や家の持ち主を記す国の記録)より先に始まっています。相続放棄(財産も借金も一切受け取らないと、家庭裁判所に届け出ること)をした場合にも一定の保存義務が残ることは、相続放棄しても空き家は消えないのページに書きました。放棄しても、雪は降ります。
空き家に毎年かかる費用の内訳は、実家をどうするかのページに載せています。ここでは同じ数字を、1年のどこで出ていくかの順に並べ直します。
合わせて、持っているだけで、年15〜40万円。雪の多い年に雪下ろしが2回、3回と重なれば上に振れます。しかもこの金額には、凍結で破裂した配管の修理や、落雪で壊れた軒の修理は入っていません。壊れてから直す費用は、管理の費用より大きくなるのが普通です。
10年持てば150〜400万円。この数字を見て「それなら直して貸そう」と考えるか、「もう手放そう」と考えるか。どちらも正しい判断で、当社はどちらにも同じ窓口でお応えします。
「草が道にはみ出している」「雪が落ちてきそうで怖い」。近所からの連絡は、行政からの通知より先に来ます。ここで動けば、ほとんどのことは近所づきあいの範囲で収まります。動かなかった場合に何が起きるかを、順に書きます。
空家等対策の推進に関する特別措置法は令和5年12月の改正で、倒れるおそれがある「特定空家(危ないと市町村が判断した空き家)」の手前に「管理不全空家」という区分を設けました。市町村はまず持ち主に助言・指導を行い、改善されなければ勧告に進みます。勧告(市町村からの強い注意)を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例(家が建っている土地の固定資産税を安くする仕組み)の対象から外れます(国土交通省 固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置)。空き家の解体で税額がどう変わるかは解体費用の相場に整理しましたが、勧告は解体しなくても同じ結果を招く、ということです。封書が届いたときの段階の見分け方、税が上がる時期、返事の書き方は市役所から空き家の通知が届いたらにまとめました。
富山市には空家等の適切な管理及び活用に関する条例があり、市は管理不全空家(放っておくと危ないと市町村に指摘された空き家)に当たるかどうかの判断基準も公表しています。基準や運用は改められることがあるので、富山市 空き家等対策で最新のものを確かめてください。他の市町村の窓口は富山県 空き家対策にまとまっています。
誰に相談してよいか分からない段階なら、富山市空き家総合相談窓口があります。相続や登記、管理、家財の片づけ、売却や活用、解体まで、富山市内の空き家について無料で相談できる窓口です。当社に直接ご相談いただいても構いませんし、行政の窓口を先に使っていただいても構いません。


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人が住めば、雪も凍結も、草も、全部が同時に解決します。
これは工務店としての実感です。空き家の傷みを止める方法をいくつも書きましたが、いちばん確実なのは、その家に人が住むことです。管理を「頑張る」のではなく「終わらせる」道が、二つあります。
観光地に近い家なら、住まいではなく宿として使う道もあります。家主が近くにいない民泊(家を旅行者に泊める宿)は、登録を受けた管理業者に運営を任せる形が法律で決まっているので、富山の民泊運営代行・管理の窓口が同じ会社にあることが、そのまま管理の出口になります。宿にした家で冬に何をするかは、民泊の雪対策と冬の運営にまとめています。
会社の社員寮として借りたいという相手が付く家もあります。借り手が会社の場合に確かめられること(寝室の広さ、冬の備え)は富山の法人社宅・社員寮づくりに。
当社は買い取った家も解体せず、直して次の住み手に引き渡す方針です。貸す道でも売る道でも、家は残り、人が住みます。どちらが向くかは、家の状態と場所、そしてご家族の気持ちで決まります。
空き家であっても、建物の管理は持ち主の責任です。落雪や雪の重みで壊れた部材が隣家や通行人に被害を与えた場合、持ち主が賠償を求められることがあります。落雪が隣地に向く屋根は、雪止めの追加や屋根の形の見直しで落ちる方向を変えられる場合があります。どちらが向くかは現地を見て決めますので、雪が来る前の秋にご相談ください。
賠償の仕組みと、連絡が来た日にやることは空き家が隣家に被害を与えたら誰の責任かにまとめました。
水抜きをして給湯器も空にするなら、解約して構いません。基本料金が年間で積み上がるからです。ただし、給湯器や水道管の凍結防止ヒーターを頼りにする場合や、換気扇・防犯用の照明を動かしたい場合は、通電が前提になります。どちらの管理にするかを先に決め、それに合わせて電気の契約を決めてください。
止水栓を閉めるだけでは足りません。管の中に水が残っていれば、そこが凍って膨らみ、管や継手が割れます。富山県も、使っていない水道管は水抜きをするよう案内しています。止水栓を閉めたあと、家中の蛇口を開けて水を落とし、給湯器とトイレのタンクも空にする。ここまでが「水を止める」です。
保険会社によって扱いが違います。住宅として引き受けてもらえる場合と、空き家であることを理由に引き受けが変わる場合があり、一般に空き家は割高になります。加入のできるかどうかと保険料は、いま契約している保険会社に、住んでいないことを伝えたうえで確かめてください。住んでいないことを告げないままにしておくと、いざというときに支払いの対象外になるおそれがあります。
雪が来る前の10〜11月をおすすめします。雨樋の落ち葉を取り、雪囲いをして、水抜きをして帰る。この一度で、冬の被害の多くを防げます。春にもう一度帰れるなら、雪解け後に屋根・軒・水道の破損を確かめてください。年1回しか帰れない場合は、春の確認を近所の方やシルバー人材センターにお願いする形になります。
いいえ。まず、家の状態と場所を写真でお送りください。管理を続けるなら誰に何を頼めばよいか、貸すなら借り手がつく可能性があるか、手放すならいくらになるか。三つを並べてお答えします。査定(いくらで買い取れるか値段を出すこと)も現地の確認も無料で、お断りいただいても費用はかかりません。
家の写真と場所だけで構いません。管理を続けるか、貸すか、手放すか。三つを並べてお返しします。現地の確認は無料です。
※ 費用はいずれも目安で、家の状態・立地・その年の雪で変わります。行政の制度や判断基準は年度で更新されるため、必ず各市町村の公式情報でお確かめください。火災保険の加入できるかどうかと保険料は保険会社ごとに異なります。
維持費の内訳と、管理をやめる二つの道をそれぞれ詳しく。