屋根と雪 / 北陸の古民家

屋根を軽くすると、雪と地震に同時に効きます。

北陸では、屋根に雪が載った状態で地震が来ることがあります。だから雪対策と耐震(地震に強くすること)は、別々の話ではありません。屋根から考える理由をお伝えします。

北陸の古民家を直すとき、屋根は避けて通れません。雪の重さを受け止める部分であり、雨漏りの出口(売る・貸す・持ち続けるなど、最後にどうするか)であり、地震のときに建物にかかる力を決める部分でもあります。ここを後回しにすると、中をきれいにしても数年で傷みます。

北陸の瓦屋根北陸の町家の瓦屋根(金沢)
写真: LordAmeth「Roofing at Shima」(CC BY-SA 3.0)・トリミング

屋根が抱えている3つの問題

  • 重さ。瓦と土葺きの屋根は、それだけで数トンになります
  • 積雪。そこに雪が載ると、建物にかかる力がさらに増えます
  • 地震。屋根が重いほど、揺れたときに柱と梁にかかる力が大きくなります
  • 雨漏り。谷樋と棟から始まり、気づいたときには小屋組が傷んでいます(雨水が骨組みまで進む順番と、直さず売る道)
  • 雪下ろし。高齢のご家族には、費用も危険も大きな負担です
  • 落雪。隣家や道路への落雪は、近隣もめごとの原因になります

軽くすると、二つ同時に解決します

瓦を軽い素材に葺き替えると、建物にかかる重さが減ります。これは雪対策であると同時に、耐震対策でもあります。北陸では、屋根に雪が載った状態で地震が来ることがあります。だから、雪対策と耐震対策はひとつの工事でまとめて考えられます。

葺き替えを検討されているなら、耐震補強とあわせて考えるとかけたお金に見合う効き目が上がります。足場を組む工事なので、まとめてやったほうが安く済みます。

雪の重さで柱が傾き、梁がたわんだ家の建て起こしは傾いた家の直し方で説明しています。

雪を下ろさない選択

雪止めの配置を見直す、屋根の形と勾配を変える、融雪の設備を入れる。方法はいくつかあります。ただし、どの方法が向くかは、建物のつくりと隣の土地との関係で変わります。そのため、現地を見てから決めます。とくに融雪は、電気代という住んでから毎年かかる費用が毎年かかります。初期費用だけで決めないほうがいい部分です。落雪が隣地に向いている屋根は、放っておくと持ち主の賠償責任になります(空き家が隣家に被害を与えたら誰の責任か)。

空き家のまま冬を越す家の雪下ろしと水抜きは、県外から富山の空き家を管理する年間カレンダーに。すでに屋根が落ちた家はどうするかも分けて書きました。

費用の目安

  • 屋根の葺き替え(瓦・雪対策)200〜450万円
  • 耐震補強(壁量・金物・基礎)250〜700万円

※ 建築工事費です。面積と屋根の形、足場の条件で変わります。土地・建物の取得費(その家を買ったときの値段)は含みません。

先に屋根をやる、という順番

全面改修の予算がすぐに組めない場合、屋根と耐震だけを先に行い、内装(壁紙や畳など、内側の仕上げ)は数年後に回す進め方があります。逆に、内装をきれいにしてから屋根をやると、雨漏りで仕上げたばかりの天井を汚してしまうことがあります。順番を間違えないことが、結果として費用を抑えます。

よくある質問

瓦を残したいのですが。+−

残せます。地域の景観に合わせて瓦のままにする選択もあります。その場合は、屋根が重い前提で耐震補強の量を決めます。軽くするか、補強を増やすか。どちらが向いているかを現地で見てお伝えします。

雨漏りしているかどうか、外から分かりますか。+−

天井のシミや、小屋裏(屋根と天井のあいだの空間)の柱の変色で分かることが多いです。ただし雨水は思わぬ場所を伝うので、シミの真上が原因とは限りません。現地調査では、屋根の上と小屋裏の両方を見ます。

屋根だけの工事も頼めますか。+−

承ります。ただし足場を組む工事なので、外壁や雨樋、断熱(外の寒さや暑さを家に入れにくくすること)の一部を同時にやるとかけたお金に見合う効き目が上がります。将来やる予定があるなら、まとめたほうが結果的に安くなります。

屋根から、直す

屋根の状態を、見に行きます。

現地調査は無料です。小屋裏まで確かめて、必要な工事をお伝えします。

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執筆:北陸ホームズ 中邑 龍正 更新

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