土蔵造りの町並み(高岡市木舟町)
写真: Khafre「土蔵造りの町並み 高岡市木舟町」(CC BY-SA 3.0)・トリミング
土台から腐ります
富山平野の空き家は、雪より水で傷みます。夏は湿度が高く、冬は日本海側特有の重い湿った雪と雨が続きます。人が住まなくなると換気が止まり、床下と押入れに湿気がこもります。土台と柱の根元、いわゆる柱脚(柱の根元)が最初に腐り、次に畳と床板がたわみます。表面は普通に見えても、床下を覗くと白い菌糸が回っていることがあります。
雨漏りは、樋の詰まりから始まることが多いです。庭木の落ち葉が樋に溜まり、水が軒裏に回り、天井板に染みが出る。ここまで来ても、骨組みが生きていれば直せます。放置が3年、5年と続くと、梁まで水が回って話が変わります。
特定空家と固定資産税
平野部、とくに富山市や高岡市の住宅密集地では、傷んだ空き家が「管理不全空家(放っておくと危ないと市町村に指摘された空き家)」や「特定空家(危ないと市町村が判断した空き家)」に指定される例が現実に出ています。指定されて勧告(市町村からの強い注意)を受けると、固定資産税の住宅用地の特例(家が建っている土地の固定資産税を安くする仕組み)が外れ、土地の税額が数倍になります。市役所からの通知は、助言・指導、勧告、命令と段階を踏みますが、最初の手紙が来た時点で動き始めるのが安全です(市役所から空き家の通知が届いたら)。
更地にしても売れない区画があります
「壊して更地にすれば売れる」は、平野部でも半分しか正しくありません。更地にした翌年から、上で書いた住宅用地の特例が外れます。家が建っている間は特例が効いていたのに、壊すと税金が上がるわけです。そのうえで、前面道路が4m未満、接道(敷地が道路に接していること)が2mに満たない再建築不可(今の家を壊すと、新しく建てられない土地)、隣家と壁が接する連棟(隣の家と壁がつながった建物)。富山市の八尾や岩瀬、射水の内川沿い、高岡の山町筋の周辺には、こういう区画が珍しくありません。更地にしても建て替えられない土地は、仲介市場で長く残ります(再建築不可・未接道の家は売れるのか)。
平野部の実家で先に確かめるべきは、「壊す前に、建物ごと引き取る相手がいるか」です。家財が残ったままでも、床が抜けていても、今のまま査定できます。
壊すか残すかの見当を先につけたい方は、解体するか残すかの判定で、8つの質問に答えてみてください。平野部か山間部かも、答えに入れて判定します。