売るまえに読む / 雨漏りを放っておいた家
雨漏りをそのままにした家でも、売ることはできます。放置で傷む順番と、直すか・直さず売るかの分かれ目
雨漏りを何年も放っておいた実家でも、売ることはできます。変わるのは値段と、引渡し後に誰が責任を持つかです。
- 雨漏りの家は売れる。仲介では告知と契約不適合責任が売主に残る
- 当社の買取は現地で確かめて買うので、引渡し後の責任は免責
- 止めるだけなら数十万円〜、葺き替え200〜450万円。売る前に直さなくてよい
売るまえに読む / 雨漏りを放っておいた家
雨漏りを何年も放っておいた実家でも、売ることはできます。変わるのは値段と、引渡し後に誰が責任を持つかです。

雨漏りがあるから売れない、ということはありません。変わるのは値段と、引渡しのあとに誰が責任を持つかです。
家を売る道は大きく二つあります。不動産会社に仲介を頼み、住む人に売る道。当社のような買取業者に、そのまま売る道。雨漏りの家では、この二つで「責任」の置き場所がまったく違います。
仲介で売る場合。買主は、その家に住む人です。売主は雨漏りを知っているなら、それを買主に伝える必要があります。仲介する不動産会社には、法律で決まりがあります。契約の前に、大事な点を説明しなければなりません。大事な点をわざと隠してもいけません(宅地建物取引業法35条・47条)。売主が個人でも同じです。雨漏りを黙って売ると、「契約と違う家だった」とされます。買主から、修理や値下げを求められます。契約の取り消しを求められることもあります。これが民法562条以下の契約不適合責任で、買主は不適合を知ってから1年以内に通知すれば、その責任を追及できます(566条)。
「免責の特約を付ければいい」と聞くこともあります。個人間の売買では、契約不適合責任を負わない特約を結ぶこと自体はできます。ただし、売主が知っていて言わなかったことは別です。「責任を負わない」という約束があっても、売主は責任を負います(民法572条)。天井のシミを知っていて言わなかった。内見(買う前に家の中を見に行くこと)の前にブルーシートを外して、何もなかったように見せた。こういう売り方は、特約では守られません。
当社の買取の場合。買主は、住む人ではなく、直す工務店です。現地調査で屋根の上と小屋裏(屋根と天井のあいだの空間)を見て、どこから水が入り、どこまで傷んでいるかを自分の目で確かめたうえで、承知のうえで買います。だから当社の買取では、引渡し後の契約不適合責任は免責にできます。雨漏りを直す費用は、当社が買値の中で引き受けるからです。
ひとつだけお願いがあります。知っていることは、すべて話してください。「いつから」「どの部屋で」「大雨のときか、雪解けのときか」。隠さないでほしい理由は、当社が損をしたくないからではありません。免責という約束を、お互いに成り立たせるためです。全部聞いたうえで当社が値を付ければ、あとから蒸し返す余地がなくなります。
「雨漏り」と聞くと、屋根に穴が開いていて、そこから水が落ちる絵を思い浮かべます。実際は違います。雨水は屋根の上で入り、木の中を伝い、ずいぶん離れた場所で姿を見せます。天井のシミは、水が通った道の出口にすぎません。
水が進む順番は、おおむね決まっています。
つまり、雨漏りの相談で当社が知りたいのは「屋根の穴の大きさ」ではなく、水がこの5段のどこまで進んでいるかです。1〜2段の傷みなら、屋根の補修で済みます。3〜4段なら、小屋組の一部を入れ替えます。5段まで進むと、構造(柱や梁など、家を支える部分)の補修まで必要になります。直す費用も、直さずに売るときの当社の買値も、ここで決まります。
「何年放っておいたら手遅れですか」と聞かれます。正直に言うと、年数では決まりません。入った水の量と、乾くまでの時間で決まります。人が住んでおらず、窓を開けて風を通すこともありません。そのため空き家は乾く時間がなく、傷みの進みが早くなります。それでも、段階はおおむね三つに分けられます。
傷みが進むほど、売主が自分で直して仲介で売るのは難しくなります。一方、当社の買取は、傷みが進んでもお受けできます。ここが大切な点です。ただし買値は下がります。直す費用が増えるぶん、当社が引き受ける分が増えるからです。「まだシミの段階のうちに」というのは、売り込みではなく、値段の計算そのものです。
なお、家が傾き始めている場合は、雨漏りとは別に見るべきことがあります。原因と直し方は傾いた家・古民家は直せるかに、雨漏り以外の傷みも含めた「直せる・直せない」の見分け方は傷んだ家でも買い取れるかにまとめました。

県外にお住まいの方が思い浮かべる雨漏りは、台風や梅雨のものだと思います。富山は違います。当社が直しに入る空き家の傷みは冬と春に集中していて、雨漏りより、凍結と雪。雨漏りそのものも、その多くが雪から起きます。
屋根の上で、雪が凍って溶ける。積もった雪は、晴れた日の日差しと、家の中からのわずかな熱で、下側から溶けます。溶けた水は屋根を流れ落ちる途中、軒先の冷えた部分でまた凍ります。氷の堤ができ、その上に溜まった水が行き場を失って、瓦の下に回ります。雨なら流れ落ちるだけの屋根が、雪だと水をせき止める形になる。これが、富山の空き家で瓦がずれていないのに雨漏りする理由です。
落雪が、樋と軒を壊す。暖かい日に一気に落ちる雪は、軒先や雨樋、隣地の塀を壊します。樋が外れれば、屋根の水は壁を伝って落ち、壁の中に入ります。春に「軒が落ちていた」というご連絡をいただくのは、たいていこの順番です。
雪囲いのない窓から、吹き込む。住んでいたころは、毎年秋に窓や庭木に雪囲いをしていたはずです。空き家になって雪囲いをやめると、横なぐりの雪が窓の隙間から入り、サッシの下の木を濡らします。屋根からではなく、窓から始まる雨漏りです。
壊れるのは冬、気づくのは春。雪が消えてはじめて、瓦のずれ、樋の外れ、軒のゆがみが見えます。県外から年に一度しか帰れないなら、雪解け後の3〜4月に一度見に行けるかどうかで、その年の傷みの進み方が変わります。月ごとに何が起きるかは県外から富山の空き家を管理する年間カレンダーに、屋根そのものの直し方と雪対策は屋根と雪にまとめています。
当社は屋根を直す工務店でもあるので、直す実際にかかった費用を隠す理由がありません。先に数字を並べます。いずれも建築工事費で、面積と屋根の形、足場の条件で変わります。
葺き替えのときに瓦を軽い屋根材に替えると、雪の重さに対する余裕が増え、同時に耐震(地震に強くすること)にも効きます。屋根の工事は足場を組むので、外壁や雨樋と同時にやるほうがかけたお金に見合う効き目が上がります。当社が家を直すときの順番は、屋根→構造→断熱(外の寒さや暑さを家に入れにくくすること)→水回り→内装です。内装をきれいにしてから屋根をやると、雨漏りで仕上げたばかりの天井を汚すことになるからです。
では、売る前に直すべきか。当社は原則、おすすめしません。理由は三つあります。
当社の買取は、この三つを裏返した形です。売主の費用は0円、仲介手数料(不動産会社に払う手数料)も0円。現地調査から最短2週間で引渡し。片づけは不要で、引渡し後の契約不適合責任は免責。そのかわり、買値は仲介で売れた場合より低くなります。修理費、売れ残るおそれ、片づけの手間を、買主である当社が引き受けるからです。ここは隠しません。
直してから売る道が向いている方もいます。ご家族がその家に住み続ける可能性がある方、時間をかけてでも仲介で売りたい方です。その場合は、当社が工事を請け負う側としてお手伝いします。費用の全体像はリノベーションの費用と相場にまとめました。どちらの道でも、最初にやることは同じです。直さずに売ったらいくらかを知ること。その数字があってはじめて、300万円の工事が引き合うかどうかを計算できます。
雨漏りの家を今のまま当社に売る場合の流れです。県外にお住まいなら、帰省はゼロか1回で進められます。
引渡し後、その家の雨漏りは当社の仕事になります。屋根屋を探すことも、買主から連絡を受けることもありません。売ったあとの手続きと税金は相続した実家の売却の手引きと空き家の3,000万円特別控除を、帰らずに進める方法は帰らずに売る方法をご覧ください。

現地に行く前に、水が5段のどこまで進んでいるかは、写真3枚でおおよそ分かります。きれいに撮る必要はありません。暗ければスマートフォンのライトを点けて、ぶれていても構いません。
余裕があれば、道路から撮った家の外観と、屋根が写る一枚を足してください。瓦の並びの乱れ、棟のゆがみ、樋の外れは、外からでも見えることがあります。ただし雨漏りのあるかないかを外観だけで言い切ることはできません。
写真を送るのは、査定のためだけではありません。自分の家がどの段階かを、自分で知るためでもあります。仲介で売るにしても、直して住むにしても、この3枚は最初に要る材料です。


当社が古民家を直した事例です。古びた和室でも、柱と梁の骨組みが生きていれば、次の使い手に渡せます。天井を抜いて梁を見せた階段室にし、民泊(家を旅行者に泊める宿)として開業しました。工期4か月、建築工事費900万円。→ この事例を詳しく見る
当社は、買い取った家を解体しません。屋根を直し、傷んだ部材を入れ替え、断熱と耐震に手を入れて、次の住み手に引き渡します。雨漏りの家を買い取るのは、その家を直すつもりだからです。解体して更地(建物を壊した、何もない土地)にする買い方なら、買値から解体費を引くことになり、雨漏りの家ほど値が付きません。
高岡市で当社が買い取った、築90年の旧農家住宅と蔵の例があります。10年空き家のままで、雨漏りと床の傷みが出ていて、家財が大量に残っていました。持ち主の方は、どこから手をつければいいか分からない状態でした。当社は今のまま、荷物もそのままで買い取り、処分しきれなかった家具も道具も引き取りました。「もっと早く相談すればよかった」というのが、そのご夫婦の言葉です(お客様の声)。
雨漏りをそのままにしてきたことを、責める気はありません。県外に住んでいて、直す費用を出す当てもなく、兄弟の意見もそろわない。それで何年も経つのは、ごく普通のことです。ただ、水は待ってくれません。今の段階で値が付くうちに、値段だけ知っておく。それが損の少ない順番だと当社は考えています。富山の家を骨組みから直す考え方は富山の古民家再生の手引きにまとめました。
ご相談いただけます。天井が落ちているのは、水が小屋組まで進んでいる印なので、当社は小屋裏の梁と柱の頭がどこまで傷んでいるかを現地で見ます。骨組みが生きていれば、傷んだ部材だけを入れ替えて直せることが多く、買取の対象になります。買値は直す費用のぶん下がりますが、売主の側で片づけたり、応急の工事をしたりする必要はありません。天井ではなく屋根そのものが落ちている場合は、屋根が落ちた・倒れそうな家はどうするをご覧ください。
そのままで結構です。外さないでください。ブルーシートは水の入口を教えてくれる目印で、現地調査ではその下の瓦と野地板を見ます。売る前に外して見せる必要はなく、むしろ雪や雨が入る期間を延ばすだけです。かけた時期と、その前にどの部屋でシミが出ていたかを教えていただければ、見立てが早くなります。
片づけは不要です。カビた畳も、湿った家財も、当社が買い取ったあとに処分します。それより先に見たいのは、畳の下です。畳が湿っているのは、水が壁を伝って床まで来ているか、床下から湿気が上がっているかのどちらかで、それによって直し方が変わります。畳を1枚上げて床板を撮った写真があると助かりますが、無理なら現地調査で当社が見ます。家財が山積みの場合の順番は、家財が山積みの実家を片づけずに売る方法のページにまとめています。
おおよそは分かります。天井のシミや、小屋裏の柱の変色で分かることが多く、写真3枚(天井のシミ・小屋裏・押入れの奥)があれば、水が5段のどこまで進んでいそうかを見立てられます。ただし雨水は思わぬ場所を伝うので、シミの真上が原因とは限らず、外観だけで雨漏りのあるかないかを言い切ることもできません。現地調査では、屋根の上と小屋裏の両方を見ます。
一般論でお答えします。火災保険には風災・雪災・雹災の補償が付いていることが多く、強風や雪の重みで屋根が壊れて雨漏りした場合は、補償の対象になることがあります。一方、長年の経年劣化による雨漏りは、一般に対象外です。空き家であることを保険会社に告げていないと、支払いの対象外になるおそれもあります。使えるかどうかはご契約の内容で決まるので、契約している保険会社に、空き家であることを伝えたうえでお確かめください。当社の買取は、保険を使うかどうかに関係なく進められます。
空き家であっても、建物の管理は持ち主の責任です。落ちた瓦や落雪が隣家や通行人に被害を与えれば、持ち主が賠償を求められることがあります。市町村からの通知は、管理不全の空き家に対する助言・指導の段階であることが多く、放っておくと勧告(市町村からの強い注意)に進み、固定資産税の住宅用地の特例(家が建っている土地の固定資産税を安くする仕組み)が外れる場合があります。詳しい条件は各市町村の窓口でお確かめください。当社は、応急の養生(傷まないように覆って守ること)から買取まで、まず現地を見てから順番をご提案します。通知が届いた段階でご相談いただければ、対応を急ぐことができます。賠償責任の考え方は空き家が隣家に被害を与えたら誰の責任かに、通知の段階と期限は市役所から空き家の通知が届いたらにまとめました。
引き渡した家が契約の内容に適合しないとして、買主から修補や代金の減額、場合によっては契約の解除を求められます(民法562条以下)。買主は不適合を知ってから1年以内に通知すれば、責任を追及できます。契約不適合責任を負わない特約を結んでいても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れません(民法572条)。当社の買取は、当社が現地調査で傷みを確かめたうえで買うので、引渡し後の契約不適合責任は免責です。知っていることを全部話していただくのが、その前提です。
本ページは一般的な解説です。傷みの進み方は建物ごとに違い、契約不適合責任や告知の範囲は個別の契約と事情で変わります。法律の判断は司法書士(登記の手続きを代わりに行う専門家)・弁護士に、火災保険の適用はご契約の保険会社にお確かめください。費用の目安は2026年9月時点の当社の建築工事費です。
天井のシミ、小屋裏、押入れの奥。写真3枚と場所だけで構いません。家財が残ったまま、ブルーシートのまま、県外からでも。査定は無料で、断っても費用はかかりません。
屋根と雪、費用の目安、県外からの管理。雨漏りの家を直す側の話は、こちらにまとめています。