傾いた家・古民家の直し方 / 富山・石川・飛騨
傾いた家は、直せます。ただし、全部ではありません。
実家が傾いている。買おうとしている古民家の床が斜めだ。傾きの相談は、原因を見ないと答えが出ません。4つの原因と直し方、費用、直さずに手放す道をまとめました。
- 原因は4つ。地盤の沈下、礎石のずれ、屋根雪の歪み、土台の腐り
- 傾き・耐震・屋根は同じ足場と解体を使う。一度にやると安い
- 直さず傾いたまま買取も可。引渡し後の契約不適合責任は免責
傾いた家・古民家の直し方 / 富山・石川・飛騨
実家が傾いている。買おうとしている古民家の床が斜めだ。傾きの相談は、原因を見ないと答えが出ません。4つの原因と直し方、費用、直さずに手放す道をまとめました。

傾きには、家ごと沈んでいるものと、家そのものが歪んでいるものがあります。見た目は同じ「床が斜め」でも、直す場所が違います。
当社が北陸で見てきた傾きの原因は、大きく4つに分かれます。
一つの家に複数の原因が重なっていることも珍しくありません。

傾きは、感じ方と実際の数字が一致しないものです。慣れた家族は気づかず、久しぶりに帰った子どもが「めまいがする」と言い出す。だから当社は、まず測ります。
ご自身で確かめるなら、スマートフォンの水準器アプリを床の数か所に置いて、方向と数字をメモしてください。ビー玉を転がすだけでも、沈んでいる方向は分かります。その写真とメモがあれば、現地に行く前に原因の見当がつきます。当社の現地調査は無料で、傾きの測定と床下の確認を含みます。
液状化で傾いた家の相談で、いちばん混乱が起きるのがここです。宅地を直す工事と、家を直す工事は別で、担い手も、使える支援も違います。
宅地の復旧(地盤側)。沈んだ宅地の地盤改良や、地区ぐるみで地下水位を下げる対策は、市町村の宅地復旧事業として進められています。個人の家の工事ではなく、まちの工事です。家を直す前に、自分の宅地が対策の区域に入っているかを、市町村に確かめてください。
基礎の沈下修正(建物の足元)。コンクリートの基礎がある家を、基礎ごと持ち上げて水平に戻す工事です。工法は主に3つ。基礎の下に鉄板(耐圧板)を敷いてジャッキで持ち上げる耐圧板工法。基礎の下の地盤に薬液を注入して固めながら持ち上げる薬液注入工法。固い地盤まで鋼管を打ち込み、そこに家を載せ替える鋼管杭(アンダーピニング)工法。上に書いた方法ほど、工事が短く、費用も安く済みます。下に書いた方法ほど、もう一度沈みにくくなります。どれを選ぶかは、地盤調査の結果で決めます。
軸組の建て起こしと基礎の新設(石場建ての古民家)。石場建て(柱を石の上に置いただけの、昔の建て方)の家には持ち上げる基礎がありません。代わりに、柱を一本ずつジャッキとワイヤーで垂直に起こし、沈んだ礎石を据え直します。腐った柱脚(柱の根元)は、その部分だけを新しい材に替える根継ぎ(腐った柱の根元だけを新しい木に替える工事)で直します。使い方によっては、このときに鉄筋コンクリートの基礎を新しく作って柱を固定します。当社は建物を解体せずに傷んだ柱や梁を差し替える工事ができるので、傾きの修正と構造材(柱や梁など、家を支える材)の入れ替えを一度に進められます。
原因3の屋根雪で歪んだ家は、同時に屋根を軽くしないと、また同じ力がかかります。原因4の腐りは、水の道を止めないと再発します。傾きを戻すことと、原因を断つことは、別の工事です。
傾きの修正だけの金額を、当社は「いくら」と言い切りません。原因と工法で数倍の差が出るからです。目安として、コンクリート基礎の沈下修正は、一般に耐圧板工法で200〜300万円程度、薬液注入で200〜600万円程度、鋼管杭(アンダーピニング)はそれより高い、と言われています。これは沈下修正を専業にする会社が公表している幅で、当社の実例ではありません。
石場建ての古民家で柱を建て起こし、礎石を据え直す、あるいは基礎を新しく作る工事は、当社では耐震補強の一部として考えます。
大事なのは、傾きの修正・耐震補強・屋根の葺き替えは、同じ足場と同じ解体を使うということです。柱を起こすには床と壁の一部を開けます。金物(柱と梁をつなぐ補強の金具)を入れるにも同じ場所を開けます。屋根を軽くするにも、建て起こしにも足場が要ります。別々に3回頼めば、足場を3回組み、床を3回剥がします。一度にやれば1回で済みます。傾きだけを先に直し、数年後に耐震(地震に強くすること)、その数年後に屋根、という進め方がいちばん高くつくのはこのためです。
当社はおおよその金額の段階で、見積もりより高くなりそうな項目を先にお伝えします。傾きの工事では、床下を開けてから分かる土台の腐りと、地盤調査で分かる支持層の深さが、その代表です。部分別の目安は費用と相場に、耐震補強と屋根の詳細はそれぞれのページにまとめています。
※ いずれも建築工事費です。土地・建物の取得費(その家を買ったときの値段)、地盤調査の費用、仮住まいの費用、登記(土地や家の持ち主を記す国の記録)・税金などの諸費用は含みません。建物の状態と工事範囲で変わります。
富山の古民家再生の手引きでは、直す順番を「屋根 → 構造(柱や梁など、家を支える部分) → 断熱(外の寒さや暑さを家に入れにくくすること) → 水回り → 内装(壁紙や畳など、内側の仕上げ)」と書きました。傾いた家では、その前に一つ加わります。足元を戻してから、骨を固める。
1から3は、実際には一つの工事として一度にやることがほとんどです。予算が足りない場合は、1と2を先に、3を次の冬の前に、4と5は数年後に、という区切り方もできます。逆に、内装をきれいにしてから傾きを直そうとすると、仕上げた壁を壊すことになります。
住みながら直せるかどうかは、工法で決まります。基礎の下から持ち上げる沈下修正は、家財を置いたまま行えることがあります。床を剥がして土台を替える、柱を建て起こす、基礎を新しく作る工事は、その期間は住めません。現地を見たうえで、仮住まいが要るかどうかを含めてご提案します。

2024年1月の能登半島地震では、富山県内でも高岡市・氷見市・射水市などで震度5強を観測し、沿岸部の低い土地で液状化が広く起きました(富山県 県内被害状況)。「地震のあとから傾きが気になる」という相談が、いまも続いています。
瓦のずれ、壁のひび、戸の開け閉めの変化といった目に見える傷みと、骨組みの傷みは、同じとは限りません。このことは耐震補強のページにも書きました。建具が閉まらなくなった家の骨組みが無事なこともあれば、見た目はきれいなのに礎石から柱がずれている家もあります。地震で傾いたのか、前からの傾きが地震で目立っただけなのかも、床下を見ないと分かりません。罹災証明(家の被害の程度を市町村が証明する書類)の区分は、直せる・直せないとは別の話です。
液状化した宅地の復旧と、傾いた住宅の修復には、市町村ごとに支援制度があります。当社は金額を書きません。年度で変わり、条件も期限も制度ごとに違うからです。名称と公式ページだけを挙げます。
知っておくことは三つ。多くの制度では、罹災証明書の区分(半壊・準半壊など)が条件になります。「一部損壊」では使えない制度もあります。石川県の公費解体も一部損壊は対象外で、受付期限があります。そして工事を始める前の申請が条件で、先に工事を進めると対象外になります。期限は延長と締め切りが繰り返されているので、必ず公式ページで現在の状況を確かめてください。市町村と被害の区分が分かれば、使えるものが残っているかを当社が調べてお伝えします。制度の探し方は補助金の探し方に、市町村ごとの事情は高岡市、氷見市、射水市のページにまとめています。
傾いた古民家は、安く出ます。それが掘り出し物なのか、手を出してはいけない物件なのかは、傾きの大きさではなく原因で決まります。礎石が一つ沈んだだけの家と、液状化した宅地に建つ家では、直したあとの安心が違います。
当社は物件が決まる前でも内見に無料で同行し、柱と梁、基礎と床下、屋根、上下水道、接道(敷地が道路に接していること)と再建築のできるかどうかを現地で確かめます。傾いた家では、それに加えてこう見ます。
その場で、直すのにいくらかかりそうかの見当をお伝えします。物件価格に工事費を足した総額で決められるので、「安く買ったのに、傾きを直したら予算を超えた」が起きません。宅地建物取引業(家や土地の売り買いを扱う免許)の免許と建設業の許可(工事を請け負ってよいと県が認めたもの)の両方を持っているので、探す・確かめる・直す・契約するを一社で進められます。
直せる家でも、直すのが正解とは限りません。誰も住む予定がない、直す費用が家の価値を超える、兄弟で話がまとまらない。そういう家に何百万円もかけるより、傾いたまま手放すほうが合理的なことがあります。
当社は今のままの直接買取を行っており、お引き受けできる状態の例として「傾き」を最初から挙げています。家財が残ったままで構いません。引渡し後の契約不適合責任は免責で、あとから傾きを理由に責任を問われることはありません。仲介(不動産会社が買い手を探して売る方法)で売る場合、傾きは告知事項になり、買い手が付きにくく、付いても値引きの交渉になります。買取なら、その手間と時間がなくなります。
当社の買取価格は、仲介で売るより低くなります。直す費用と、売れないまま残る心配を、当社が引き受けるからです。その代わり、買い取った家は解体せず、傾きを直して次の住み手に引き渡す方針です。直すか、手放すか、迷っている段階でご相談ください。直す費用と、手放したときの手取りを並べてお見せします。工務店と不動産会社を兼ねているからできる比較です。地震や水害で傷んだ家は、被害箇所の写真を送るだけでもご相談いただけます。
原因と工法で大きく変わります。基礎ごと持ち上げる沈下修正は、一般に耐圧板工法で200〜300万円程度、薬液注入で200〜600万円程度、鋼管杭はそれより高いと言われています。これは沈下修正の専業者が公表している幅で、当社の実例ではありません。石場建ての古民家で柱を建て起こし、礎石を据え直す、または基礎を新しく作る場合は、当社の耐震補強(壁量・金物・基礎)250〜700万円の中で考えます。屋根の葺き替え200〜450万円と同時に行うと、足場と解体を共有できる分、総額を抑えられます。いずれも建築工事費で、金額は無料の現地調査のあとに確定します。
市町村ごとに制度があります。富山県内で液状化の被害が出た高岡市・氷見市・射水市・富山市・滑川市と、石川県の内灘町やかほく市には、宅地の復旧や住宅の傾斜修復を支援する制度があります。ただし、罹災証明の区分が条件になるものが多く、受付期限も制度ごとに違い、年度で変わります。すでに締め切られた区分もあります。市町村と被害の区分が分かれば、使えるものが残っているかを公式情報で確かめてお伝えし、申請書類の準備もお手伝いします。
売れます。当社は今のままの直接買取を行っており、傾き・雨漏り・シロアリがある家も対象です。家財が残ったままで構いません。引渡し後の契約不適合責任(引渡し後に見つかった不具合を、売った側が直す責任)は免責(責任を負わなくてよいこと)で、あとから傾きを理由に責任を問われることはありません。当社の買取価格は、仲介で売るより低くなります。直す費用と、売れないまま残る心配を、当社が引き受けるからです。直す費用と手放したときの手取りを並べて、どちらが現実的かを一緒に考えます。
直せます。石場建ては柱が礎石の上に載っているだけなので、礎石が沈めば柱ごと傾きますが、その分、柱を建て起こして礎石を据え直す工事ができます。腐った柱脚は根継ぎで新しい材に差し替えます。基礎を新しく作るか、石場建てのまま残すかは、家の状態と今後の使い方で決めます。ただし、柱や梁の腐りが広い範囲に及ぶ場合は、直す費用が建て替えに近づくこともあります。現地調査で、直せる家かどうかを先にお伝えします。
工法によります。基礎の下から持ち上げる沈下修正は、家財を置いたまま住みながら行えることがあります。一方、床を剥がして土台を替える、柱を建て起こす、基礎を新しく作るといった工事は、その期間は住めません。耐震や屋根の工事とまとめて行う場合も、水回りを止める期間は仮住まいをお願いすることになります。現地を見たうえで、どちらが現実的かをご提案します。
原因によります。液状化で沈んだ宅地は、地震のあと落ち着けばそれ以上は進まないことが多い一方、土台やシロアリの傷みが原因の傾きは、放っておくと年ごとに進みます。建具の隙間が広がっている、床の傾きが去年より大きい、と感じるなら後者の可能性があります。時間が経ってからでも直せますが、進んでいるかどうかで急ぎ方が変わるので、写真と場所だけで構いません。まずお見せください。
傾いた床や建具、基礎のひびの写真と場所だけで構いません。原因の見当と、直す場合のおおよその金額の幅、手放す場合の考え方をお返しします。現地調査は無料です。
※ 当社の金額はいずれも建築工事費の目安です。工法別の一般的な幅は沈下修正の専業者が公表している値で、当社の実例ではありません。建物の状態、地盤、工事範囲で変わります。支援制度の内容と期限は年度と市町村で変わるため、必ず各市町村の公式情報でお確かめください。
傾きと一緒に考える耐震と屋根、直す順番の全体像、そして手放す側の話をまとめています。